戸建てかマンションか
前回の記事では、東京の不動産が高い要因を考えていきました。
家に住むと言っても、いくつかの種類の住宅があります。そこで、今回は家を買う場合まず最初に選択を迫られる戸建てかそれとも区分(マンション)かという点について、それぞれのメリット・デメリットから考えていこうかと思います。
戸建て・区分(マンション)
戸建てとは
「戸建て」は、「とだて」ではなく「こだて」と読みます。どういう家かというと、一軒の建物に一世帯が入っている住居です。稀に一軒の建物に二世帯が入っている二世帯住宅等もありますが、基本的なイメージとしては、ひとつの建物に一世帯が入っている住居のことです。
区分とは
区分とは、区分所有のことです。ひとつの建物に複数世帯が入っており、その内のひとつ(区分)を所有するということです。言葉で説明すると難しくなってしまいますが、分かりやすく言うとマンションのことです。本記事内では、以下マンションと書きます。
それぞれのメリット・デメリット
それでは、それぞれのメリット・デメリットからどちらが良いのかを考えていこうかと思います。
戸建て
メリット
- 建物全てが自分の所有物
土地も全て自分の所有権となります。建物が古くなってきたら、立て替えるのも自由です。また、区分所有では室内以外はリフォーム等を行うことができませんが、戸建ては当然リフォーム自由です。
- 上下の階、左右の部屋への騒音や振動の心配がない
マンションですと上下左右にも部屋があります。しかし、戸建ては一軒の独立した建物です。そのため、よほどのことがない限り上の階からの歩く音や隣の部屋からの大音量で音楽を聴く音などの心配はありません。戸建てでは楽器演奏なども自由にできますね。趣味で楽器をやる方にとっては大きなメリットなのではないでようか。また、ペットを飼うことも自由です。
- 管理費、修繕積立金がない
マンションの場合は、毎月管理費、修繕積立金がかかります。月々数万ですが、住んでいる限りは毎月かかります。塵も積もれば山となります。戸建ての場合はありません。
- (物件によっては)駐車場がある
建物内に駐車場があるので、すぐに車に乗ることができます。雨の日でも濡れないで車に乗ることができます。
デメリット
- 物件価格が高い
これは立地にもよりますが、土地が全て自分のものなので物件価格は高くなる傾向です。
- 建物の維持管理にお金がかかる
メリットに書いた管理費・修繕積立金の毎月の支払いはありませんが、裏を返すと修繕が必要になった時は自分でお金を出す必要があります。建物は必ず老朽化します。屋根や外壁は10~20年で修繕が必要となってくるので、その費用を計算しておくことは必要です。それ以外にも突発的な修繕が出てくるかもしれません。
- セキュリティー面がやや不安
戸建ては玄関以外にも窓が多数あります。そのため、どうしても防犯面で警戒が必要な箇所は多くなります。ただし、警備会社と契約する等の方法で回避する手段はありますね。
- (マンションと比較して)立地が悪い
一般的に駅周辺はマンションが多いと思います。駅から徒歩数分~十数分、あるいはバスに乗ることで戸建てが立ち並ぶ住宅街があると思います。つまり、同じ駅でも駅周辺はマンション、駅から離れたところが戸建てということが多いかと思います。ただし、捉え方によっては駅から遠ければ喧騒から離れていると考えることができるかもしれません。
マンション
メリット
- (戸建てと比較して)立地が良い
戸建てのデメリットと逆になりますが、一般的に駅周辺はマンションが多く、駅から離れたところに戸建ての住宅街がある場合が多いと思います。
- セキュリティー面で強い
マンションの場合ですと、共用部はオートロックがありますし、基本的にはセキュリティーが必要な箇所と(高層階ならそこまでの心配はないかもしれませんが)窓は玄関だけとなります。
- 突発的なお金はかからない
毎月修繕積立金を支払うため、基本的には修繕はそのお金で管理組合が行ってくれます。
- 管理人が居る
マンションには管理人室がありますよね。常駐や平日昼間のみの違いはありますが、管理人室には管理人さんが居ます。共有部の清掃やゴミ捨て場の片付けは管理人さん行ってくれるので自分でやる必要はありません。
デメリット
- 管理費・修繕積立金がかかる。
毎月かかる費用なので、月々数万円でも積もると結構な金額になるかと思います。
例えば、管理費1万円、修繕積立金1万円だとすると、年間で
(1+1)×12=24万円かかることになります。
- 上下左右にも住居がある
例えば、最上階の角部屋でしたら隣にしか部屋はありませんが、上下左右に部屋があるため、上の階で飛び跳ねる音や隣の部屋からの音が響いてくるかもしれません。
最も、鉄筋コンクリート造のマンションではそれほど気にならないかもしれませんが、気になることもあるかもしれません。また、管理組合にもよりますが、規約で制限される事項が多いと思います。例えば、楽器等は禁止の確率が高いのではないでしょうか。それ以外にもペットが飼えないことも多々あると思います。
- 駐車場が別途必要
マンションによっては敷地内に駐車場があるかもしれませんが、駐車場代がかかります。また、部屋を出てから駐車場まで歩いて行く必要があります。
立地と物件価格について
ここでは、戸建てとマンションの立地と物件価格について考えていこうと思います。
東京の場合ですと、山手線から徒歩数分圏内に戸建てがあることはほぼないと思います。徒歩十数分でも数は少ないことでしょう。マンションでしたら、何棟かはあることでしょう。つまり、一般的にはマンションの方が良い立地には建っていることが多いかと思います。ただし、物件の間取りや価格次第の部分はあるので、その点について掘り下げて考えてみます。
今回は、物件検索にSUUMOを使用します。また、物件については23区内の物件で考えてみます。
ざっと検索してみまして、新築戸建ての場合ですと、私鉄駅から徒歩20分弱で4,000万円ぐらいから出てきます。
対して、新築マンションですと私鉄駅から徒歩5分以内に1LDKで2,000万円台半ばから出てきます。
一応、条件を揃えてみますと戸建てですと大体が3LDK~の広さですので、マンションも3LDK~の物件で比較してみます。
そうすると、3LDKのマンションは3,000万円弱~ありますが、4,000万円近くする物件もあります。もちろん、最寄駅から徒歩5分やJRも駅となると4,000万円以上します。
この結果から意外と新築マンションは高いことが分かるかと思います。
ちなみに、今回は件数を絞るために新築同士で比較をしましたが、中古も検討すると、結果はまた違ってくるかもしれません。
まとめ
以上のように戸建て、マンションのメリットデメリットを比較挙げてきましたが、それぞれのメリット・デメリットは概ね表と裏のようになっていると思います。何かを欲すれば何かが犠牲になるというトレードオフかもしれません。
人それぞれ何を重視するかは違ってくると思うので、優先事項から考えた方が良いと思います。
例えば、会社までの通勤時間を減らしたい、車は使用せず移動は電車という方なら立地の良いマンションが良いかもしれません。
平日はあまり出かけなく、会社の通勤ぐらいで休日には車で出かける機会が多いのなら駐車場付きの戸建てが良いかもしれません。
楽器をやりたい、ペットを飼いたいということでしたらマンションは厳しいと思うので、自ずと戸建てが良いかと思います。
立地についても、お金を出せば駅から徒歩数分に戸建てもありますし、最終的には予算次第になってくるのかもしれませんね。
今回は戸建てとマンションのメリット・デメリットについて比較検討してみました。一概にどちらが良い悪いと決めることはできなく、何を重視するのかによるのかもしれませんね。また、中古も選択肢とすることで選択の幅は広がることでしょう。
私個人的には、土地が全て自分の持ち物ということと楽器や音楽鑑賞を行いたいので、やはり戸建ての方が良いのかなという考えになります。
皆さんも住宅購入の際にはぜひ検討してみてください。
東京の不動産について
私は都内で働くサラリーマンです。学生の頃は就職したら、車を買って、趣味にお金使って、楽しい生活が待っているんだろうなと思っていました。
しかし、就職してみると、額面の給料がそのまま貰えるのではなく、税金を引かれること、東京ですと家賃が高く給料がほとんど消えてしまうことに気付きました。社会人になってみると、本当に当たり前のことですが、学生の時まではこんな現実考えてもいなかったです。
そこで、東京(およびその近郊)の不動産価格について掘り下げて考えていこうと思います。
生活の基本
衣食住
「衣食住」という言葉もありますが、これは生活の基本を表した言葉です。
衣
「衣」は、衣服の衣。つまり服です。
食
「食」は、食事の食。
住
「住」は、住居の住。住むところです。
つまり、人間が生きていくためには着る衣服があって、食べ物を食べ、家に住むということです。それほど家というのは人間の生活には深く根付いているものなんですね。
人生何にお金がかかるのか
三大出費
また、人生の三大出費と言われるものがあります。
これは「住宅」「教育」「老後」を指します。(以前まで私は住宅、車、保険と思っていました・・・)
住宅
「住宅」は、マイホームなら買う時にそして買った後にもお金がかかります。また、賃貸住宅に住むとしても、敷金・礼金、毎月の家賃がかかります。
教育
「教育」は、子どもの教育にかかるお金です。私はまだ子どもがいないので分かりませんが、どのぐらいかかるのか調べてみました。
文部科学省:平成28年度子供の学習費調査
公立の場合で
幼稚園233,947円
小学校322,310円
中学校478,554円
高等学校450,862円
私立の場合で
幼稚園482,392円
小学校1,528,237円
中学校1,326,933円
高等学校1,040,168円
幼稚園~高等学校まで全て公立で
幼稚園:233,947円×3年=701,841円
小学校:322,310円×6年=966,930円
中学校:478,554円×3年=1,435,662円
高等学校:450,862円×3年=1,352,586円
合計:4,457,019円
幼稚園~高等学校まで全て私立で
幼稚園:482,392円×3年=1,447,176円
小学校:1,528,237円×6年=9,169,422円
中学校:1,326,933円×3年=3,980,799円
高等学校:1,040,168円×3年=3,120,504円
合計:17,717,901円
ということになります。やはり、かなりのお金がかかることに驚きました。
このシュミレーションのようでなくとも、幼稚園、小学校までは公立で中学校、高等学校は私立のようなパターンもあるかと思いますが、いずれにせよ数百万~千数百万のお金がかかるのですね。
また、大学へ行く場合は更に下記のお金がかかります。
国立
入学料282,000円
授業料535,800円
4年間合計:282,000円+535,800円×4年=2,425,200円
私立
入学料252,030円
授業料900,093円
4年間合計:252,030円+900,093円×4年=3,852,402円
入学料は入学時のみかかり、授業料は毎年支払うので、×4をします。
医学部、薬学部等は6年なので更にかかることでしょう。
ここまで、教育費を見てきましたが改めてものすごいお金がかかるのですね。ついつい忘れがちですが、人生設計には組み込まないといけませんね。
老後
「老後」は、収入がなくなるので年金で暮らさないといけません。人生何が起こるか分からないので不測の事態のためにもお金は必要ですね。そのため、老後資金も貯めておく必要があります。
つまり、住居・住宅・家というのは生活に欠かせないものであり、また生きていく上で最も大きなお金のかかるものなんですね。
私個人的には、本当はマイホームを買うか賃貸住宅を借りたいのですが、現実的にそれが厳しいので、親に家賃を払って、親の実家に置いてもらっています。相場よりかは安めなので助かっています。また、実家があるから、無理に自分で一人暮らしをしないでも、いいやという思考が働いている部分もあるかもしれないです。例えば賃貸住宅を借りて縁もゆかりもない大家さんに家賃を支払うよりは、自分の実の親に支払う方がいいかなと個人的には考えている部分もあります。本当に親には感謝しかないです。
ところで、なぜマイホームを買うあるいは賃貸住宅に住むのが厳しいかというと東京23区はとにかく物件価格あるいは家賃が高いことが挙げられると思います。
現在、私は20代後半なのですが、そろそろ将来のことも真剣に考え、マイホームを購入するか賃貸住宅に住むかから始まり、どんな物件が良いのか、安く買うまたは借りるにはどうすれば良いのかちょっとずつではありますがここ1~2年で不動産について学んできました。今回はその中から私なりに思ったことや知ったこと等を書いていきたいと思います。
なぜ、東京の不動産価格は高いのか
そもそも、なぜ東京の不動産価格はこんなにも高いのか?
東京23区の戸建て住宅は安くても4,000~5,000万円はするのではないでしょうか。
区分(マンション)でも安くても3,000万円はするイメージです。
これは、不動産価格に限らないと思うのですが、物の価格は需要と供給で決まります。
例えば、八百屋さんにリンゴが10個あり、リンゴを欲しい人が3人しか居なければ、この3人は競合することなく全員が買えます。(1人で10個買う場合等は除き原則1人1個しか買わないと考えると)
では、逆の場合はどうでしょうか
八百屋さんにリンゴが3個しかなく、欲しい人が10人居たらどうなるでしょうか
買えない人が7人出てきます。そこで高いお金を出すから売ってくださいということになるのではないでしょうか
では、話を戻します。不動産の場合の価格は何で決まるか?
需要と供給です。不動産では需要(人口)と供給(土地)で決まります。
つまり、東京の場合ですと、供給(土地)が少ないのに需要(人口)が多いのが要因であると考えることができます。
では、東京の需要と供給が多いと言っても、具体的にどれぐらい多いのか定量的に調べていきます。下記のサイトを参照させていただきました。
都道府県市区町村:47都道府県のデータ
関東1都7県の人口密度
関東の中ではどうなのか。
東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬それぞれの面積と人口を比較していこうと思います。(人口密度は小数点以下四捨五入しています。)
東京
人口:13,843,403人 面積:2,193,96km2
人口密度:6,310人/km2
都庁所在地:東京(新宿区) 人口:915,833人(世田谷区)
神奈川
人口:9,179,835人 面積:2,416.16km2
人口密度:3,799人/km2
県庁所在地:横浜市 人口:3,748,473人
埼玉
人口:7,322,645人 面積:3,797.75km2
人口密度:1,928人/km2
県庁所在地:さいたま市 人口:1,311,295人
千葉
人口:6,268,585人 面積:5,157.61km2
人口密度:1,215人/km2
県庁所在地:千葉市 人口:980,019人
茨城
人口:2,882,943人 面積:6,097.33km2
人口密度:473人/km2
県庁所在地:水戸市 人口:269,677人
栃木
人口:1,952,926人 面積:6,408.09km2
人口密度:305人/km2
県庁所在地:宇都宮市 人口:519,171人
群馬
人口:1,949,440人 面積:6,362.28km2
人口密度:306人/km2
県庁所在地:前橋市 人口:336,575人
このような状況です。いかがでしょうか。やはり、概ね人口密度が土地の価格に関与していると思われます。
(参考)大都市がある道府県の人口密度
ちなみに、参考までに愛知県、大阪府、福岡県のデータもご紹介します。
愛知
人口:7,539,185人 面積:5,172.96km2
人口密度:1,457人/km2
県庁所在地:名古屋市 人口:2,326,252人
大阪
人口:8,824,566人 面積:1,905.29km2
人口密度:4,632人/km2
府庁所在地:大阪市 人口:2,737,716人
福岡
人口:5,111,494人 面積:4,986.51km2
人口密度:1,025人/km2
県庁所在地:福岡市 人口:1,591,123人
以上のように人口密度が高いエリアは不動産価格も高そうな傾向があるかと思われます。
まとめ
ここまで、東京の不動産価格について考えてきましたが、「家」は人間の生活とは切っても切り離せないものであり、また人生の買い物でも大きなお金のかかるものです。
その不動産価格の要因に人口密度は密接に関わっているのではないでしょうか。
私はいつかは夢のマイホームを購入したいと思います。