NISAとは何か
前回の記事では、iDeCoについての説明とどのようなメリット・デメリットがあるのかを書きました。そこで、今回はiDeCoと並んで近年よく宣伝されているNISAについて、種類、内容、iDeCoとはどのように違うのか等を説明していこうと思います。
NISAとは
まず、NISAとは何の略かご存知でしょうか?
N(NIPPON)ISA(アイサ)の略です。
ISAとは
Individual Savings Accountの略で、訳すと個人貯蓄口座となります。
意味としては、イギリスで個人の貯蓄、投資を促進する目的で始まった貯蓄の利子や投資の運用益が非課税となる口座のことです。
NISA
NISAは少額投資非課税制度のことです。
NISA口座での株式、投資信託等を
1.売った時の譲渡益
2.分配金が非課税となります。
出典:金融庁「NISAの概要」
非課税枠
新規投資額で毎年120万円上限、(2015年以前は100万円)
未使用分があっても翌年への繰り越しはできません。
非課税期間
最長5年間、期間終了後からは課税となりますが、翌年の非課税投資枠に移すこともできます。
投資可能期間
2014~2023年
つまし、2023年に購入した投資信託は2027年まで非課税で保有することができます。
金融庁の下記のグラフがイメージしやすいかと思いますので、載せておきます。
出典:金融庁「NISAの概要」
つみたてNISA
NISAの種類には、通常の「NISA」と「つみたてNISA」というものがあります。ここでは、つみたてNISAについて説明をしていきます。
一定の投資信託から得られる分配金、譲渡益が非課税となります。「つみたて」と付くだけあって、NISAより少額で長期間の制度となります。
非課税枠
新規投資額で毎年40万円上限
未使用分があっても翌年への繰り越しはできません。
非課税期間
最長20年間
投資可能期間
投資可能期間は2018~2037年
つみたてNISAは、期間終了後に翌年の非課税投資枠に移すことはできません。
つまり、2037年に購入した投資信託は2056年まで非課税で保有することができます。
金融庁の下記のグラフがイメージしやすいかと思いますので、載せておきます。
NISAとつみたてNISAの大きな違い
大きな違いは、非課税枠の上限金額と非課税となる期間です。
NISA:毎年120万円まで5年間
つみたてNISA:毎年40万円まで20年間
一概にどちらが良いとは言い切れませんが、NISAは多額の取引をする方、つみたてNISAは少額で長期間取引する方に向いているのではないでしょうか。
NISAは国内外の株式、投資信託が対象です。
一方、つみたてNISAは一定の投資信託であり、NISAよりも投資商品の選択の幅は狭いです。
また、NISAとつみたてNISAは併用ができませんので、どちらか一方のみとなります。
iDeCoとの違い
前回説明したようにiDeCoは年金、退職金を積み立てるものです。
NISAは非課税での投資枠です。
以上のように根本的に考え方が違います。
そのため、
前回の記事でも触れましたが、iDeCoの毎月の掛け金が全額所得控除になるというのは、とても大きな魅力と感じます。どのぐらいの節税効果があるかは職業や掛け金で人それぞれ異なりますが、一般的には年間数万~十数万の節税効果があります。
しかし、iDeCoの大きなデメリットが以下であると思います。
iDeCoは60~70歳までの期間に受け取ることになります。裏を返すと、60歳までは引き出すことができません。私個人的には、この点がとても大きなネックになると思います。確かに年金、退職金のための積み立てということなので当然と言えば当選ですが、人生は何が起きるか分からないのでお金が必要な時に下ろせないという点がデメリットではないでしょうか。
まとめ
NISA、iDeCo共に近年は盛んに宣伝がされており、年金2000万円問題があってからは、金融機関でも勧めてくることが多くなっているかと思います。
その内容を把握し、自分にとって何が必要なのかをしっかり考えることが大事ですね。